柏松の由来 ～松柏の寿と柏の花～

由来の一つは、松柏之寿（しょうはくのじゅ）。
昔、白居易（唐の詩人）が「松柏与鶴亀、其寿皆千年」（全唐詩、巻四二八）と
詠んだように、古来から松柏は長寿と生命力の象徴として使われてきました。
不撓不屈（ふとうふくつ）の意志や固い節操の喩えとして、松柏の操、松柏の志、
雪中の松柏などの言葉もよく知られています。松も柏も、共に峻厳な自然の中に力
強く育ち、樹齢も長く、冬枯れの中でも青々とした姿を保つ強靭な生命力をもつ常緑樹です。

もう一つは、柏の花。柏はごくまれに小さな花を咲かせます。
法人本部がある特養ホーム柏松苑（村田町）の苑庭に、開設時（昭和６３年）に
植えられた古い柏の木が一木、いまも残っています。この柏はかつて一度だけ、そ
の葉の付根のところに小花を咲かせたことがあります。当時、入居者の方々もその
様子を見て「柏の花なんて見たことも聞いたこともない」と驚いていました。
その稀有な花を（いつ頃かは不明ですが）初代理事長も見たことがあり、とても
印象に残っていたとのこと。それで法人設立にあたり、松柏ではなく柏の字を先に
して「柏松会」と名付けたと伝えられています。ちなみに、柏松苑の外壁の色（黄
褐色）も理事長が見たというその柏の花の色なのだそうです。